2025年3月23日、岡山県岡山市南区と愛媛県今治市でそれぞれ山火事が発生し、現在も消火活動が続いています。
愛媛県今治市の状況
発生場所: 今治小松自動車道「今治湯ノ浦インター」付近の山林
約25ヘクタールが焼失。219世帯381人に避難指示が出され、避難所が開設されています。
消防や自衛隊のヘリコプターが投入され、陸空から消火活動を実施中。
岡山県岡山市南区の状況
発生場所: 南区飽浦地区
約76ヘクタールが焼失し、住宅や倉庫5棟が被害。403世帯893人に避難指示が出されています。
消防車約15台と防災ヘリが出動し、自衛隊も夜通しで消火作業を行っています。
今回、未だ原因が明らかになっておらず、立て続けに起きている山火事の原因について調査しました。
山火事はなぜ起こる?原因について解説
山火事が起こる理由は、大きく分けて「自然発火」と「人為的原因」の2つがあります。
自然発火の原因
1. 乾燥と高温: 空気が乾燥し、落ち葉や枯れ草の水分が失われることで発火しやすくなります。
2. 雷や熱波: 落雷や異常な高温が直接的な火種となることがあります。
3. 地球温暖化: 気候変動により降水量が減少し、干ばつや乾燥状態が増加。これが火災リスクを高めています。
特に冬から春にかけて、空気が乾燥している日が多く、火災を引き起こしやすい時期になっています。
人為的原因
1. 焚き火やたばこの不始末
焚き火の消火不足やたばこの投げ捨てが原因で発火することが多い。
日本では山火事の約7割が人為的要因とされ、たき火が全体の約30%を占めています。
2. 農業・牧草地での火入れ
焼畑農業や野焼きで管理が不十分な場合、炎が広がり森林火災に発展することがあります。
3. 放火
故意に引き起こされるケースもあり、疑いを含む放火は日本での山火事原因の約10%を占めています。
4. アウトドア活動
バーベキューやキャンプでの残り火、ハイキング中の不注意などが山火事を引き起こすことがあります。
日本での主な原因は「たき火」が32.6%で最も多く、次いで「火入れ」、「放火(疑い含む)」、「たばこ」となっています。
林野庁のまとめでは、山火事の約7割が冬から春(1月~5月)にかけて集中して発生しています。
春先は行楽や山菜採りに山に入る人が増えるほか、農作業に由来する枯草焼きなどが山林に飛び火することも原因となっているそうです。
山火事を拡大させる要因
強風
・強風は火の粉や燃えた物質を遠くまで運び、周辺地域に新たな火災を引き起こします。
・風が炎を煽るため、消火作業が難しくなり、被害が拡大する傾向があります。
燃料の蓄積
・森林地帯で枯れた植物が蓄積されると、これらが「燃料」となり、火災が広がりやすくなります。
・地球温暖化や干ばつによって植物が乾燥し、燃えやすい状態になるため、火災の拡大リスクが高まります。
森林構造
• 単一樹種の植林地では、生態系の多様性が低いため、森林全体の水分保持力が弱く、火災が広がりやすい。
木々の間隔が均一であるため、一度火災が発生すると急速に燃え広がる傾向があります。
・生物多様性が豊かな森林では、水分保持力や自然防御力が高く、火災の拡大を抑える効果があります
今回の愛媛、岡山の山林火事も乾燥注意報が出ており、強風も相まって、延焼が続いている状況です。
以上、山火事の原因について解説しましたが、やはり人間の不注意が多くを占めており、自然発火は稀だとされています。
山火事が起きたらどうする?
実際、自身が山火事に遭遇した場合、どうすべきかを解説します。
山火事を発見した場合
迷わず、すぐに119番に通報し、正確な場所を伝えます。通報は迅速に行なってください。
避難時の行動
・早めの避難
山火事は急速に広がるため、煙や炎を見たら公式警報を待たずに避難を開始します。
特に風が強い日は、火災が直線距離200m以内に見えた段階で避難するのが安全です。
・安全な方向へ移動
火災は風下に広がるため、風上または風向きに対して直角の方向へ逃げるのが安全です。
峡谷や混雑した道は避け、下り坂を選ぶことで迅速な避難が可能です。
・防護服の着用
長袖・長ズボン、手袋、顔を覆う布などを着用し、肌の露出を最小限にします。
防護服は熱防護性が高く、隙間なく着装することで効果を発揮します。
避難準備
・複数のルートを計画
火災の進行方向は予測が難しいため、複数の避難ルートを事前に確認しておきます。
徒歩と車両での移動を想定し、状況に応じて使い分けられるようにします。
避難ルート上に障害物がないか、また安全な集合場所(広場やコンクリート地面など)も確認しておきます。
・風向きと地形に注意
山火事では風下や峡谷は危険です。風上や安全な高台を目指すルートを選びます。
・家族や近隣との連携
家族全員で避難計画を共有し、落ち合う場所や連絡方法を決めておきます。また、高齢者や障害を持つ方への支援も考慮します。
常に最新情報をラジオや公式サイトで確認し、安全第一で行動しましょう。
山火事の防災グッズは?
基本アイテム
・飲料水: 1人1日3リットルを目安に準備
・食料: 長期保存可能なアルファ米、乾パン、缶詰など
・貴重品: 現金、身分証明書、健康保険証、通帳のコピー
・救急用品: 絆創膏、包帯、消毒液、常備薬など
火災特有の対策用品
・ヘルメット、防災ずきん: 頭部を守るため必須.
・マスク: 煙や粉塵から呼吸器を保護.
・眼を保護するメガネ、ゴーグル: 煙による刺激を軽減。
・懐中電灯・ヘッドランプ: 夜間や煙が多い場所での視界確保。
・運動靴: 歩きやすく安全な靴.
・ロープ・万能ナイフ: 障害物の除去や安全確保に役立つ。
・携帯ラジオ: 最新情報を取得するため必須.
・簡易トイレ、ウェットティッシュ: 避難生活での衛生管理。
これらを丈夫で持ち運びやすいバッグにまとめ、すぐ持ち出せる場所に保管しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。他人事ではなく、自分のこととして、現在起きている山火事についてもう一度考えてみましょう。
現在も消火活動が続いており、鎮火の見通しは立っていません。被害地域では引き続き警戒が必要です。最新情報を確認し、安全確保を最優先してください。
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