警察と消防によりますと、1日午後１時ごろ、名古屋市中区栄3丁目の交差点で「車が暴走し、人が倒れている」などと１１９番通報がありました。
何らかの理由で車が暴走し、歩道に乗り上げたとみられ、複数の歩行者が倒れているということです。
消防によると、この事故で、歩行者7人が怪我をして病院に搬送されており、7人全員が搬送時に意識はあったとのこと。
なぜ車の暴走事故が多発するのか？原因について、調査していきます。
車両事故の原因：ヒューマンエラー
ヒューマンエラーとは、「意図しない結果を生じる人間の行為」を指します。交通事故では、運転者の不注意や操作ミスが事故の約8割を占めています。
主な要因
1. 発見の遅れ
危険を認識するタイミングが遅れることで適切な対応ができず、事故につながる。
2. 判断の誤り
運転中の状況判断が誤り、適切な行動が取れない場合があります。特に複雑な状況でミスが起きやすい。
3. 操作の誤り
アクセルとブレーキの踏み間違いやハンドル操作ミスなどが典型的です。高齢ドライバーに多く見られる特徴で、加齢による身体能力や反応速度の低下が影響しています。
高齢者ドライバーの影響
加齢による身体能力低下
高齢者は動体視力や判断力が衰え、情報処理能力も遅れるため、操作ミスや安全確認不足が増加します。
アクセルとブレーキの踏み間違い
特に75歳以上では重大事故につながる割合が急増しており、身体の柔軟性低下や集中力欠如が原因とされています。
対策
運転能力チェックやトレーニングを通じて認知・判断・操作能力を向上させる。
衝突防止機能付き車両への乗り換えや運転免許自主返納なども推奨されています。
ヒューマンエラーは多くの場合、防止可能な要因であり、安全確認や技術的支援が重要です。
車両事故の原因：車両技術の限界
1. 衝突被害軽減ブレーキ（AEB）の効果
AEBはカメラやレーダーを使用して前方の障害物を検知し、衝突回避や被害軽減を目的とした自動ブレーキ機能です。
普通乗用車では追突事故率を約50%低減する効果が確認されています。
2. AEBの限界
AEBは特定の速度域でしか効果を発揮せず、規定速度を超える場合や低速では十分に機能しない可能性があります。
雨・雪・霧などの悪天候、暗闇や逆光などで障害物認識が困難になる場合があります。
人や自転車の急な飛び出し、車両の急な割り込みには対応が難しいことがあります。
3. 技術進化の課題
AEB搭載車両でも事故は完全に防げず、居眠り運転など特殊な状況では効果が限定的です。
技術進化が遅れている部分があり、完全自動運転技術との統合が求められています。
これらの限界から、AEBに過信せず、ドライバー自身の安全確認と適切な運転が重要です。
車両事故の原因：歩行者の軽視
日本で歩行者が自動車事故で犠牲になる割合が高いことが判明しています。
1. 歩行者の死亡事故割合が高い背景
日本では交通事故死者数に占める「歩行中」の割合が欧米諸国よりも高く、アメリカやドイツなどの約2倍に達しています。
特に65歳以上の高齢者が歩行中に亡くなるケースが多く、全体の約70%を占めています。
2. 夜間事故の多発
歩行者死亡事故は夜間に多く発生しており、反射材の未着用や視認性の低さが影響しています。夜間の死亡率は昼間よりも高い傾向があります。
3. 横断歩道以外での事故
横断歩道以外で道路を横断中に事故に遭うケースが多く、これが歩行者死亡事故全体の約48.5%を占めています。
4. 高齢者特有のリスク
高齢者は身体能力や判断力が低下しているため、車両接近への対応が遅れることがあります。
5. 交通政策とマナーの課題
日本では車優先の交通環境やドライバー側の歩行者軽視が指摘されています。欧米諸国では歩行者保護政策や教育が進んでいる一方、日本では改善が遅れています。
これらの要因から、日本では歩行者保護を強化する交通政策や、安全教育、インフラ整備が急務となっています。
車両事故の原因：歩行者の不注意
歩行者側の不注意やスマホ使用が交通事故に繋がる理由について詳しく説明します。
1. 歩行者の不注意による事故
・安全の未確認：歩行者が道路を横断する際に左右の安全確認を怠るケースが多く、これが事故原因の約49%を占めています。
• 飛び出し行為：駐車車両や走行車両の直前・直後から急に横断する行動は、車両側から歩行者が見えづらく、衝突のリスクを高めます。
2. スマホ使用による注意散漫
• 歩きスマホの危険性：歩行中にスマートフォンを操作すると、周囲への注意力が低下し、車両や信号機への反応が遅れるため事故が発生しやすくなります。
• イヤホンの使用：音楽を聴きながら歩くと周囲の音（車の接近音など）に気づかず、危険な状況に陥る可能性があります。
3. 法令違反と過失割合
「歩きスマホ」による事故では、歩行者にも過失割合が10%程度加算されることがあります。これは安全意識の欠如が事故要因とみなされるためです。
4. 夜間や横断禁止区域でのリスク
夜間に反射材を着用せずスマホを操作している場合、視認性が低くなるため車両側が歩行者を発見できず、事故につながりやすい。
これらの要因から、歩行者自身も交通ルールを守り、周囲への注意を払うことが必要です。
まとめ
最近、急増している車の暴走事故。
事故を起こしている人の割合は大半が高齢者であり、アクセルとブレーキを踏み間違えたことが主な原因として挙げられています。
いつ自分が被害者になるかわかりません。悲惨な事件に巻き込まれないように、自分自身でもできることをしましょう。
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